構成文化財

小樽市

旧手宮鉄道施設

きゅうてみやてつどうしせつ

幌内鉄道の基点となった手宮には、車両整備などのための様々な鉄道関連施設が設置された。現存するこれらの鉄道施設は、幌内から石炭を運び、近代日本の産業発展を支えた幌内鉄道の遺産であり、蒸気機関が主流であった当時の鉄道の仕組みを知ることができる貴重な近代化遺産として、2001(平成13)年、国の重要文化財に指定されている。

【機関車庫三号】
1885(明治18)年に竣工した現存する日本最古のレンガ造機関車庫。創建時は「煉化石造機関車室」。設計は当時の農商務省に属していた鉄道技師の平井晴二朗。レンガは長い面と短い面を交互に並べる装飾的なフランドル(フランス)積み。1960(昭和35)年に当時の国鉄により北海道最初の鉄道記念物に指定され、北海道鉄道記念館として活用が決定したことで1962(昭和37)年には大規模な改修工事が実施された。

【転車台】
蒸気機関車の方向を転換するための装置。蒸気機関車は前進・後進の向きが決まっているため方向転換のための転車台が必要となる。現存するものは18.8mで、1919(大正8)年に横河橋梁製作所で製造し、八幡製鉄所の鋼材を使用している。

【機関車庫一号】
1908(明治41)年に竣工した機関車庫。当初、車両5台が格納できるようになっていたが、昭和初期に左側の3口が解体された。1996(平成8)年に建築当初のかたちに復元。レンガは長い面の段と短い面の段で積まれているイギリス積み。

【貯水槽】
多量の水を必要とする蒸気機関車に水を補給するための施設。明治末から大正初期の竣工と推定。かつて転車台の西方約70mの位置にあった給水器へ地中に管を引いて送水していた。レンガ積み構造物の上部に水槽を載せている。現存する水槽は円形だが創建時は正方形だった。

【危険品庫】
1898(明治31)年頃に建造された石造倉庫で、塗料や石油類など引火性の強い物品の保管庫に使用された。幌内鉄道は1889(明治22)年から1906(明治39)年まで北海道炭礦汽船株式会社が経営しており、数少ない北炭時代の建造物として貴重である。

【擁壁】
1912(明治45)年から使用されていた石炭積出のための高架桟橋に至る線路の路盤を支えたレンガ積みの壁。崖の斜面に敷設され、この上を線路が通っていた。高架桟橋は1944(昭和19)年に廃止されたが、約85mの擁壁がいまも残る。高架桟橋関連の構造物として現存する唯一の貴重な遺産。

  • 駐車場あり

小樽市総合博物館のページ(https://www.city.otaru.lg.jp/categories/bunya/shisetsu/bunka_kanko/museum/)

旧手宮鉄道施設
所在地小樽市手宮
アクセス【札幌から】
車:約50分(札樽自動車道経由)
JR:約1時間(函館本線)
バス:約1時間10分(高速バス)

【旭川空港から】
車:約2時間50分(道央自動車道→札樽自動車道)
JR:約3時間50分(空港リムジンバス→函館本線)
お問い合わせ小樽市総合博物館
電話番号 0134-33-2523

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