構成文化財
小樽市
色内銀行街(旧三井物産及び旧三菱商事小樽支店)
いろないぎんこうがい(きゅうみついぶっさんおよびきゅうみつびししょうじおたるしてん)
【三井物産小樽支店(松田ビル)】
三井物産小樽支店は、道内の木材を一手に取り扱い、欧米への輸出で大きな利益を上げるようになっていたが、幌内炭鉱で採掘され、鉄道で小樽へもたらされた石炭は極めて重要な商品であった。1937(昭和12)年に建てられた旧三井物産小樽支店は、鉄筋コンクリート造5階建てで、周辺では最も高いビルである。設計は松井貴太郎(横河工務所)が担当し、当時、最新の建築思想である国際建築様式の意匠を取り入れている。1階外壁には黒御影石が貼り付けられ、2階以上の白色タイル壁と鮮やかなコントラストをなす。建物正面は、平らな壁に四角形の窓を演出し、正面玄関の天井に設置されている照明器具や玄関外のブラケットはアール・デコ風の装飾が斬新である。玄関ホール付近の内装は琉球産大理石が用いられている。2基あるエレベーターの右側は建築当初からのもので、エレベーター左側壁面には上階から投函する形式の「私設郵便箱」が設置されている。
【旧三菱商事小樽支店(小樽運河ターミナル)】
1922(大正11)年に建てられた旧三菱商事小樽支店は、鉄筋コンクリート造4階建てで設計と工事は清水組(現・清水建設)が行った。三菱系ビルとして、1階は銀行、2階は鉱業、3階は商事の各支店が入っており、昭和初期、活気にあふれる小樽支店では、本社採用の社員たちが世界中と商取引を行っていた。建築当初、外壁にレンガ色のタイルが貼られモダンな外観だったが、1937(昭和12)年に現在の色調に変更された。1階は石造りのように改修され、山側(西面)はギリシャ・ローマ建築風の円柱が6本並ぶかたちとなった。
旧三井物産
旧三菱商事小樽支店
所在地 | 小樽市色内1丁目9-1、 小樽市色内1丁目1-12 |
アクセス | 【札幌から】 車:約50分(札樽自動車道経由) JR:約1時間(函館本線) バス:約1時間10分(高速バス) 【旭川空港から】 車:約2時間50分(道央自動車道→札樽自動車道) JR:約3時間50分(空港リムジンバス→函館本線) |
お問い合わせ | 小樽市産業港湾部観光振興室日本遺産担当 電話番号 0134-32-4111 |